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ことば

阪神淡路大震災の時、友人が俳句をやめた。

ことばは無力だ、何の役にも立たないといって。

その時、私は強く思った。ことばは無力じゃないと。

ことばで飢えがしのげるのか、傷の手当ができるのか、

安心して暮らせる居場所が確保できるのか…そう彼女は

いった。でもね、そんなの当たり前じゃないの。

だいたいにおいて、実際の支援とことばの役割を同じ

土俵にあげて比べることそれ自体が間違っているのだ。

ことばは何故いつまでもこころに残っているのか、いつだったか

私の恩師(哲学の教授)から出された課題。

それに私はいまだちゃんと答えられない。

でも、そうなのだ。おびたたしい物や事を消費することで生きている

私たちだけれど、たしかにこころのある場所には印象深いことば、

感動したことば、嬉しかったことばがそのまましまわれている。

そんなことばたちは、私という一個の生命体が消滅してしまうまで

けっして薄れたり、磨り減ったり、消えてしまったりはせず、その

ことばが私に手渡されたその時の純度を保ってそこにいてくれる。

そう、ことばにはたましいがある。そしてそれは生きる希望や勇気を

人のこころに芽生えさせることができる。

神さまがもしいるとしたら、ことばはたぶん人類がお互いを愛し合い、

いたわりあい、励ましあい、勇気づけあい、そうしてよりよく生きて

より良い世界を創っていくために、とくべつに人間に与えたのかもしれない。

だから、ことばに係わっている全ての人が今一度、支援の手を差し伸べることと

同時に、ことばの力、ことばにできることを考えてほしいと思う。
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