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おじいさんが届く注文しないのに   佐藤みさ子

3月20日は末娘(元腹芸の名手)の誕生日でした。

上の2人のお姉ちゃんたちとちょっと離れて生まれた彼女も

やっと17歳。なんだかあっという間の17年でした。

今年高校三年。受験勉強やってるんだか、やってないんだか。

AO入試で「腹芸で入学できるとこないかぁ」と同居人に

冗談混じりに言われていたけど、ねぇ…。

今日は高校の仕事体験で老人ホームにおでかけになりました。

昨日、今日、明日と3日間。87歳の義母と同居しているから

お年寄りには慣れているはずだったけど、やっぱり現場は

過酷だったみたい。現実は甘くはないことを実感している様子でした。

ところで、彼女の誕生日、もう何十年ぶりかで宅配のピザが食べたい

ということで姉と相談しながら注文をしていました。

今は一枚の半分ずつ違うトッピングのピザをたのめるんですね。

しかもお味もグレードアップしてました。

私たち大人も久々のピザにビールが進む進む(笑)。

で、タイトルの川柳。先日いただいた川柳誌「杜人」に載っていました。

   おじいさんが届く注文しないのに   佐藤みさ子

私の尊敬する川柳家・佐藤みさ子さんの句です。

一読、あはははと笑った後でやってくる怖さ、現実の残酷さに

彼女はいつも気付かせてくれます。


   さびしくはないか味方に囲まれて

   深いかと聞いた溺れている人に

   たすけてとだれもいわないたすけない

   バラバラに壊れた「これは夢だもの」

   うたうたうくちのかたちをうたがわず

   たすけてくださいと自分を呼びにゆく

                         佐藤みさ子句集『呼びにゆく』所収

改めて佐藤みさ子のことばの力を思う。

そして、この句、今末娘が仕事体験で行っている老人ホーム・デイケアセンターの

現実へもつながっている。

この句を読んであははと笑ったあとには深い穴がある。その穴は皆知っているのに

怖くて覗き込めない深い深いこころの穴でもある。


 
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