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山内令南さんの記事2

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山内令南さんの記事が掲載されている新聞の切り抜きが、

先日につづき出てきた。

2011年6月25日(土曜日)朝日新聞夕刊・文化欄である。

一部紹介してみたい。

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 今期の文學界新人賞(注:第112回)を受賞した山内令南が、
受賞作「癌だましい」の六月号での掲載の直後に、食道癌で亡くなった。
遺作となった「癌ふるい」がさらに七月号に受賞第一作として掲載されて
いる。
 かつて斧田千晴のペンネームで発表された作品集を、本欄で取り上げた
ことがある。二〇〇五年十一月のことだ。洒落たセンスで多彩な短編を
書いていた作者がこのような宿命を辿るとは、予想もできないことだった。
 「癌だましい」は食道癌を診断された一人暮らしの女性が、食道の狭窄
で嚥下困難になってもひたすら食べ続ける凄まじい日々を描いている。
章番号が五から一に逆に並んでいる。つまり死に瀕した末期の状態から、
それよりはまだ元気だった状態へと逆に進行するのである。「生きることは
食べること」を唯一の思想として、「職場の癌」と周りから罵られながら、
彼女は食欲に邁進する。(略)
                     (文芸評論家・清水良典)

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 山内令南作品集『夢の誕生日』第三章にはこんな短歌が。

  『癌だましい』きっととるぞとホゾかため日々入力す中古ワープロ

  「錦田麻美」我ヒロインの醜くてこれぞ癌なり癌だましいぞ


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 山内令南さんの本名は種田千里(おいだ ちさと)。
 創作の場では斧田千晴(おのだ ちはる)をペンネームとしていた。
 でも、死を覚悟して書き上げた「癌だましい」「癌ふるい」だけは
 山内令南(やまうち れいなん)を使った。


 山内令南作品集『夢の誕生日』http://azamiagent.com/
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