徳永政二フォト句集2『大阪の泡』が、11月24日(土)西日本新聞で紹介されました。
俳人・谷口慎也さんが担当の「俳句月評」の中で以下のように取り上げてくださいました。
〈何も言わない〉
今月は川柳句集『大阪の泡』(徳永政二)に注目した。
「顔白く塗ってみんなに見てもらう」「そうですねそれは涙に近いもの」
「あほなことしてきた桑の葉が揺れる」「あの人もりっぱな垢になりはった」など、
口語表現の軽妙な語り口が親しみやすい。だがこれらの作品は、読みの方向性は提示
しているものの、あとは何も言っていない。だから読者は、そこに自分の想像力をもって
参加するしかない。例えば最初の句、そこにおどけた子どもの姿、祭りのなかの白塗りの顔、
さらには男性性の倒錯や死化粧、等々。個々人の多様な読み〈想像力〉を誘発してくる。
そして一句は、それらのイメージの総体として成立するのである。何も言わない作品は読者に
何かを言わせたがる。その短詩形文学の魅力じゅうぶんな1冊であった。
俳人・谷口慎也さんが担当の「俳句月評」の中で以下のように取り上げてくださいました。
〈何も言わない〉
今月は川柳句集『大阪の泡』(徳永政二)に注目した。
「顔白く塗ってみんなに見てもらう」「そうですねそれは涙に近いもの」
「あほなことしてきた桑の葉が揺れる」「あの人もりっぱな垢になりはった」など、
口語表現の軽妙な語り口が親しみやすい。だがこれらの作品は、読みの方向性は提示
しているものの、あとは何も言っていない。だから読者は、そこに自分の想像力をもって
参加するしかない。例えば最初の句、そこにおどけた子どもの姿、祭りのなかの白塗りの顔、
さらには男性性の倒錯や死化粧、等々。個々人の多様な読み〈想像力〉を誘発してくる。
そして一句は、それらのイメージの総体として成立するのである。何も言わない作品は読者に
何かを言わせたがる。その短詩形文学の魅力じゅうぶんな1冊であった。
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