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束芋展と「total eclips - トータル・エクリプス -」

同居人のオススメの束芋展、いつ行こうかと迷っていた矢先、

俳人のHさんから電話があり、束芋展終了後、美術館内で

「total eclips - トータル・エクリプス -」というお芝居を

することになっていてチケットあるからどう?とお誘いを

いただいた。おおっ、渡りに舟じゃないか。

土曜日の昼に和歌山から義妹と姪っ子が来る予定だったので

ついでに夕食の分までとたくさんの炊き込みご飯とポテトサラダを

作って束芋展とお芝居に備える。国立国際美術館へ行くのはけっこう

久しぶりかもしれない。

午後4時ごろに到着してみると、何と、横尾忠則展もやってるじゃないか。

美術館はこの日、お芝居上演のため5時で閉館

横尾忠則の膨大なポスターをゆっくり見るまもなく、急ぎ足で束芋展へ

回る。断面の世代というサブタイトルが付いているこの展覧会、

のっけから大きなクッションに寝そべって天井に写される映像を見上げる

ことから始まる。映し出されているのはアパート(マンション)の一室。

空に浮かぶ切り取られた箱としての部屋から家具が空中にこぼれおちたり

もどったりしている不思議な光景。

束芋は朝日新聞で連載していた吉田修一の『惡人』の挿画担当だったらしい。

もの同士のこの突拍子もないつながり具合はどうだ。ちょっと連句の付け合い

みたいな感じのする不思議なつながりである。

束芋さんがこの展覧会の構想を考えるヒントになったのが

あごうさとし作・演出の「total eclips - トータル・エクリプス -」だそうで、

このお芝居の形も初めてのものだった。個とはなんだろうと考えさせられた。

テーマは豊田商事会長刺殺事件。あの時なぜみんな傍観者だったのか強烈な

違和感をもっていた自分にとっても興味深いテーマではあった。

ひとりの個(人間)を複数の役者が入れ替り立ち代り演じる、おじさんが

少年になったり女性が屈強な男性の役になったり。それは発語されるまで

伏せられていてことばがその役者の口から発せられた瞬間に、観客は知る。

それまで役者Aが演じていた豊田商事会長が、たった今、役者Bにシフト

したことを。同じセリフを複数の役者が同時に発話するのにも驚かされた。

終演後も頭の中が混乱状態。しかしこれは心地よい混乱ではあった。

しかし束芋さんが若くて美しい女性だったとは…。
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Comment







非公開コメント
すべてにおいて傍観者だった私
私も傍観者でしたけど、あの頃の私は、どの事件に関しても傍観者だったように想います。たぶん、自分にとっては平和な時代だったからだと思います。
ただ、逮捕された犯人たちが「騙された老人たちに依頼されやった」などと供述したのについては、『嘘だろう』と思いました。口封じのために、誰かに依頼されてやったのでは?と思いました。
その後特に興味がわかなかったので、犯人たちの意図については知りません。

ところで、競輪関係のブログをよく閲覧するのですが、皆さん競輪以外の事についても深く鋭く考えていらっしゃって、思わずうなってしまいます。私は、政治とか社会とかについては、ほとんど深く考えてこなかったので、特にそう思います。でもやっぱり、そういうことについて深く鋭く考えていないと、ろくでもない人生になる可能性は高くなると痛感しております(笑)
2010-09-06-21:15 黒いダイヤ
[ 返信 * 編集 ]
黒いダイヤさんこんにちは
コメントありがとうございます。
しばらく生きてるのがやっと(笑)の状態で
久々にブログに戻りました。
そうですよね。大なり小なり私たちは傍観者としての立場しかとれない、
取り得ないのかも、と思うこともあり…。
それと夢にせよ目標にせよ野望、野心でもいい、そんな目標設定の
ハードルがかなり低くなっていて、もし設定できていたとしても達成までの
スパンが短い、息が続かない、そんな世の中になっていて私はとても
危機を感じています。
そういう意味では、現代はものすごく危険な時代だと思います。
2010-09-09-10:18 ギア
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