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見えるもの見えて楽しい最後尾  

小社・あざみエージェントから句集を出版してくださった弘津秋の子さんの川柳。

見えるもの見えて楽しい最後尾  秋の子     弘津秋の子句集『アリア』所収

この句が好きで、特に最近やたら気になりだした。最後尾を「楽しい」と感じられる心の余裕はどこからくるのか。もちろん、その人が「どうせ私なんか」とかひねくれた気持ちで「最後尾」に甘んじているわけではない。だって、前方の状況をしっかりと見据えているわけだから、もちろん力を温存しているのだ。やることはやった。失うものは何もない。あとは前へ「動く」のみ。

かつて「FⅠ先行」と呼ばれた吉岡稔真。魔の8番手という不利な位置からでも前団を呑み込んで鮮やかな捲りを決めた。力のある選手は展開が良く見えているし、脚をためて仕掛けるチャンスとタイミングを冷静にうかがっているもの。
松岡健介選手に話を聞いたときも、捲りが得意な若手の子が3コーナーあたりからビビッてフカしてるのを見ると走りながら嬉しくなるんですよ、とおっしゃっていた。レースの展開がしっかり見えていて、しかも冷静に態勢を整えて一気に動くタイミングを計る。最近の彼の活躍は、努力して地力をつけてきた余裕がうかがえる。

でも、この句、どんな状況でもあてはまる。さあ、これから行くぞっていう「決意」みたいなものも暗示されている。私の今年のスタートの一句にさせてもらおう。

句集では、この句と一緒にこんな句を並べた。

全力疾走母さん僕は幸せだ  秋の子

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