
敬愛する俳人・永末恵子さんがお亡くなりになった。
永末さんの句集は今も私のバイブル。
永末さんの句集は、私にとって句を読むというより、
句の奥に広がるのびやかな時空間に遊ばせていただくための
かけがえのない入口だったし、句が書けなくなった時に「やる気」を
刺激してくれる強力なエンジンだった。
非常に残念である。悲しい。
彼女が残してくださった四冊の句集『発色』『留守』『借景』『ゆらのとを』は
これからも私の宝物である。
下記、句集『ゆらのとを』(ふらんす堂)のあとがきより引用。
「白山が見え玉乗りを忘れめや」(橋閒石)という句があるが、
俳句はまさに玉乗りに他ならない。止まらないこと、
つねにバランスをとりながら足を動かし続けること。
それが私をこの先どこに連れていってくれるのか、
そんなことは考えても仕方がない。
瞬間瞬間の足を踏み変えつつ、
私自身の身体を行き来する言葉を感じているだけなのだ。
松風のままゆっくりと箱に入る
大鯰描くに力の抜きどころ
青鷺の奥へ奥へとねむる人
山青し一見青し服を着る
夕焼けてくる渾身のごはん粒
(『ゆらのとを』自選句より抜粋)
永末恵子さん、ありがとうございました。
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